「第一級 アマチュア無線技士」受験記(合格)
こんにちは!前回の簿記3級・FP3級受験記に引き続き、「第一級 アマチュア無線技士」を受験し、合格したので受験記を書いていきます。
通常第四級から取得する資格ですが、第一級を飛び級で取得する人は珍しいと思います。
自己採点結果
法規 144/150点 (合格点105点)
工学 143/150点 (合格点105点)
実は試験1週間前に過去問を解いた際は工学95-110点で推移していましたので、本番前1週間の勉強が非常に肝心だったことになります。以下に長々と受験記を書いていきますが、お付き合いいただければ幸いです。
アマチュア無線技士とは?
「アマチュア」という名の通り、金銭が発生しない趣味の範囲で無線を扱える免許です。アマチュア無線技士には「第一級」から「第四級」が存在し、級によって扱える周波数や電波の強さが異なります。たいていの場合「第四級」で事足り、小学生でも取得している人が多いです。その一方で「第一級」試験は難易度が高く、高校数学(複素数や対数計算)の内容を前提とした問題が出題されます。その代わりに「第一級」ではアマチュア無線において許可されているすべてのことができます。近年では、ドローンの操縦のために「第四級」を取得する人がいるそうです。繰り返しますが、「アマチュア無線」という趣味を相当やりこまない限り、「第三級」「第四級」で事足ります。
迷わず「第一級 アマチュア無線技士」を選択
もともと電波には興味があり、また来年から電波を扱う企業で働く予定なので、せっかくなら業務では扱わないであろう部分の試験を受けようと思っていました。受験資格があるわけではないので、せっかく受けるなら最初から「第一級」のほうがかっこいい気が・・・。また、「第四級」は小学生でも取れると聞いていたので、我理系大学院生ゾ(ただし無線の知識は皆無)とのことで「第一級」を受験申込みしました。
実は一度諦めた
実は2021年に「第一級 アマチュア無線技士」の勉強を少ししていたのですが、難しくて早々折れたという経験をしています。参考書と問題集を買ったは良いものの内容がチンプンカンプンでした。そんな勉強をしている最中、鬼頭明里 2nd LIVE「MIRRORS」のライブ日程が発表され、試験日が重複していることが判明。試験後にライブに行っても間に合いましたが、もう完全に勉強を辞めました。(もはや試験の申込すらしませんでした。)
どうやら記録によると30時間は勉強していたようです。今回勉強しなおしてみて内容は全く覚えていなかったのでよっぽど頭に入っていなかったのだと思います。
当日までの歩み
※前提として私は無線系の知識は皆無ですが、一応理系の大学院生をやっているため、対数計算や複素数計算等の計算力はどうにかなっている状態です。
前回学習していた30時間を除いて、今回の学習時間は約100時間でした。
6月
FP3級の受験が終わった直後の2023年5月末日にこちらの「第一級アマチュア無線技士試験 集中ゼミ」を購入し、6月中はこの参考書を進めていきました。以前購入した参考書があったのですが、心機一転仕切り直しの意味で別のものを購入しました。
個人的に参考書の分かりやすさは★★☆☆☆程度。これは単純に僕が知識ゼロから読んだからだと思うのですが、出てくる用語が全く分からなかったり、「ここもっと詳しく知りたいんだけど・・・」というところの解説や説明が無かったりします。
とはいえ、その部分はおそらく本質ではない部分なので「そんなもん」として流してしまうとよいかもです。試験を突破するには十分な参考書だと思います。
この参考書で分からない箇所は以前購入した「やさしく学ぶ 第一級アマチュア無線技士試験」を読みました。
個人的なわかりやすさは★★★☆☆程度。図がこちらの方が多いような気がします。ただ、僕はこの参考書をすべて読み切ったわけではないので、「集中ゼミ」をおすすめします。(今受けようとしている別の無線資格も集中ゼミシリーズを購入しました)
全体を通して、いきなり第一級を受験するわけですから、書いてある内容がかなりちんぷんかんぷんです(参考書が悪いわけではない)。めげずに先に進んでとりあえず一周終わらせることが非常に大切でした。
6月中は参考書と並行して以前購入した問題集を解き進めていきました。この問題集はおおよそ「集中ゼミ」と単元が連動しているため、おすすめの一冊です。基本的にはこの450題全て解けるようになることが前提です。僕は、ここで提示している「第3集」(2023年発行)ではなく、「第2集」(2018年発行)を使っていたため、近年の問題傾向に対応していないことがネックでした。「第3集」はおそらく近年の傾向に対応しているのではないかと思います。(要出典)
7月
「集中ゼミ」の問題部や、問題集をひたすら解きなおし、抜けが無いようにしました。解けなかった問題にチェックをして解きなおすことを繰り返しました。繰り返すと言っても、結局最後まで解けない問題や忘れた問題があったり、3回も解きなおすことはできませんでした。
試験前にチェックしておきたいポイントや、覚えられない公式、思い付きで得た知見は、すぐに見返せるように専用のノートにまとめていました。通称「頑張るノート」(自分用なので間違えたこと書いてるかもしれない)
やっぱりパッと見返すならアナログノートのほうが良いんですよね・・・。
8月
過去問題は公式サイトに直近3回分が公開されていたので、試験一週間前に解き始めました。しかし解いてびっくり、法規は余裕でしたが、工学が107点合格点ギリギリです。運よく当たった問題も多く、また完全に初見の問題が数多くあり、かなり詰んだ状態です。
そんな中以下の動画に出会いました。
おぉん、どうやら令和からかなり問題の特徴が変わっているようです。僕が使っていた問題集は2018年発行で令和以前のものですから、最新の傾向には対応できていなかったのです。
てか今までの過去問をDLできるサイトがあるんですね!?
しかも過去問を解説してくれるサイトがあるじゃないですか・・・。
ここ1週間で合否が決まるなと思い、1週間で解けるだけの令和分の過去問を解き、解説を読み込みました。
結局ちゃんと解けたのは令和3年度分までで、それ以前はパット見て分からないものだけ(目新しいものだけ)解説を読み込みました。
令和分の過去問を解いていると、令和になってからの問題の中で、数値等が変わっているものの解き方が使いまわされている問題が多数あることに気づきました。今回も令和の問題の中から多く使いまわされると読んで勉強しました。
なお、法規はかなり高得点をとれていたため、1日1回分解くようにしました。30分以内には解き終わるため、息抜きにぴったりでした。
8月5日(試験前日)
江戸川区花火大会に行きました。路駐が多くてお巡りさん大変そうでした。お勤めご苦労様です。この日は法規の問題1回分と。理解しきれていない問題の解説を移動時間で読み込みました。
デジタルコンテンツを用いて勉強する時はiPad miniで問題を閲覧、iPadでノートをとる方法を採用しています。ホームボタンが邪魔なのでひっくり返してノートをとるのが自己流です。
8月6日(試験当日)
東横インに宿泊をし、朝6時半に起床。無料朝食があるのは東横インの強みです。
見栄えはよくないですが、写真に加えて更にパンを二つ食べました。
さて、お腹もいっぱいになり、「頑張るノート」を見ながら敵地に出陣です。
最近はこのような戦いの日にはTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期OP主題歌『WE WILL!!』を聞くようにしています。就活の時もそうでした。
最寄りは勝どき駅。対戦お願いします。
午前:法規試験・午後:工学試験です。会場入りしてみるとやはり平均年齢は50代といった感じ。当日は周辺で御神輿担ぎをやっていて、活気のある声が外から聞こえてきていました。
試験官の方や周りの方はかなりフレンドリーな雰囲気で、試験官がユーモアのある言い回しをするとどっと笑いが起こっていました。今まで受けてきた試験は、試験会場は堅苦しく重い雰囲気だったので驚きました。そのおかげでか、そこまで緊張せずに試験に臨めたのでした。
午前試験
午前は9時30分開始で試験時間は2時間30分です。試験開始1時間後の10時30分から途中退出が認められています。事前に過去問を解いていて法規が30分で解き終わることはわかっていたので、30分で問題を解ききり、残りの30分で見直し&マークシートにずれが無いかを丁寧に確認しました。
10時30分になった瞬間速攻で退出をし、あらかじめ行くと決めていた最寄りのサイゼリヤへ。東横インの無料朝食をたくさん食べていたのであまりお腹はすいていませんでしたが、サラダ・パスタ・ドリンクバーを注文(写真撮り忘れた)。店内は空いていたため、12時までくつろがせていただきました。その間に持参していた「集中ゼミ」や「頑張るノート」に目を通しました。
午後試験
午後は13時から開始で試験時間は午前と同じく2時間30分で、試験開始1時間後の14時から途中退出が認められています。実はこの日は試験後16時30分から予定があった(後述)ため、15時前を目安に途中退出することを決めていました。
試験開始の合図とともに、まずは問題のホチキスをすべて外しました。他のページの裏を計算用紙として使うためです。特段バラしてはいけないというルールは無いため、この方法はおすすめです。「1つの問題で合否が決まる、取れる問題は絶対に落としてはいけない」ということは過去問から分かっていたので、見たことのない問題でもどうにか解けそうな問題にはかなり時間を使いました。知識問題はどう頑張っても無理ですが、計算問題は今までのなけなしの知識でごり押せることがあります。
試験終了、そして・・・
試験終了後の手ごたえとしては、法規は満点近く、工学は無くはないかなという手ごたえでした。過去問を解いていて、「合格点とれなくはないかな」という手ごたえの時は必ず合格点に達していたので今回も大丈夫だと思って会場を後にしました。
「1つの問題で合否が決まる、取れる問題は絶対に落としてはいけない」
この意識が、今回143/150点という結果になったのかと思います。
会場を後にして・・・
スクールアイドルミュージカル千秋楽に来ました!!!
友人3人と合流して ラブライブシリーズのミュージカルを見に来ました。
ラブライブって今やミュージカルもやってるんですよね・・・。初めて見るミュージカルでしたが、あまりにも良すぎてもっと早く来ればよかったと後悔。いやぁめちゃくちゃ良かった・・・(小並感)
今から「第一級 アマチュア無線技士」を目指す人へのアドバイス
- 過去問を解く期間を2週間以上設けましょう。特に令和分はすべて解きましょう。また、上記の解説サイトは丁寧すぎますが、必要だと思う問題の解説はじっくり読み込むとよいです。実際に2023年8月期の問題は今までの令和分の過去問の類似問題がかなり多く出ました。
- 過去問はそのまま出されることより、値や穴の箇所を変えて出題されることが多いです。どこを聞かれても答えられるように過去問を復習しましょう。
- 回答時間は2時間30分あります。急いで解く必要はないので、普段からじっくり問題に向き合って解くとよいと思います。
- 陸特などから降りてきている問題もありますが、令和分の過去問を復習することで事足りることが多いです。過去問が非常に大切。
- 普段の学習時は分からない単元があっても立ち止まらず、先に進むとよいです。問題を解いているうちに分かってくることも多く、とりあえず参考書と問題集を一周終わらせる。とても大事です。
- 複素数計算や対数計算は息をするように計算できる必要があります。繰り返し練習しましょう。ただ、計算に時間がかかっても試験時間が長いため問題になりません。正確に計算できることを大切にするとよいと思います。
まとめ
長々と書いてきましたが、以上が受験記となります。
自分が保有している資格の難易度一覧を今回から書いていこうと思います。
個人的資格の難易度(情報処理安全確保支援士など、一般的に難しいとは言われているものの、取得順番や経験によって簡単に感じている資格もあります)
FP3級 < 普通自動車運転免許 < 簿記3級 < 第2種電気工事士 << 応用情報 = 情報処理安全確保支援士 < 第一級 アマチュア無線技士 << ネットワークスペシャリスト
合格してから・・・
1アマ合格しました〜 pic.twitter.com/Y5krRUSG3s
— たこなす (@ITF_tako) 2023年8月22日
様々なアマチュア無線家の方からいいねとリプライをいただきました。
アマチュア無線コミュニティの温かさを感じられて非常にうれしいです。
最近では一部の人による通信の妨害行為や、アマチュア無線連盟の評価が良くないことなどといった悪い部分が目に付いている気がして残念ですが、合格を機に僕も何かしらの形でアマチュア無線を楽しんでみたいと思います。